野生のシロクマを追いかけて(後編)


夢にまでみた?野生のシロクマを遂に見に行くことが決まりました。行き先は道路も通じていないカナダ マニトバ州チャーチル。
後編も「飛行機ネタ」で様々なハプニングが・・・

10/27(続き)チャーチルの街にて

無事、チェックインを済ませることが出来たので街を探検?する。観光客はみんなシロクマを見に行っているためか街はひっそりとしていた。

VIAの駅。もう一つのチャーチルの玄関口だが、この日は列車が来ないので「お休み」で中には入れなかった。

道路がないため、車は貨車で運んでくるらしい。


  
チャーチルの中心部 TOWN CENTRE COMPLEX             今回のお宿、Tundra Inn

10/28-30  シロクマとの三日間

10/28 やはり朝は寒い。しかし、予想していた寒さほどではないのが気になった。迎えのバスに30分くらい揺られTundra Buggyが置いてあるターミナル?に着く。
   

バギーを横から見るとこんな感じである。             後ろから見るとこんな感じ。


大きさは長さは日本の観光バスと同じくらいで、幅は日本の観光バスの1.5倍くらいであった。
この日のバギーは全部で10台くらい。どのバスもほぼ満席であった。乗客の年齢層は非常に高くやはり高価なツアーなのが影響しているのかもしれない。「撮影目的」とおぼしき人は私の他には数人がいる程度なのが意外であった。
バギーに揺られること数十分。待望のシロクマだ!ただ、まだ遠い。発見してから10分くらいたってようやく近づけた。
夢中でシャッターを切る。なにしろ、上野動物園やズーラシアで見るモノとは貫禄が違う。

なんか退屈そう

ツアーはお昼になると、昼食(スープとサンドイッチ)が出てシロクマを見ながらランチとなる。また、「3時のお茶」もある。(ガイドによっては10時のお茶もあったりする)。シロクマを見ながらの昼食はまた格別だった。
この日の天気は晴れ→曇り→晴れ→曇りとめまぐるしく変わり、晴れているときは暖かいほどであった。
これでは雪が溶けてしまう。

10/29 一日曇りで夜になると雨まで振る始末・・・


                  TUNDRA BUGGYのボーディング・パス。この日は7号車だった。       
  なんか見つけたのかな?                    何を考えているのだろう?

    
只今お昼寝中。                         「なんか無いかなぁ?」

10/30 シロクマウォッチング最終日。なんとこの日は朝から雨である。


雨の中を行くバスの中で。ほとんど雪が無くなっている。

どうも、今日は撮影は出来てもいいカットは撮れるコンディションでは無さそうだ。
まあ、天候ばかりは仕方が無い。

     
  気怠そうなシロクマ
                      バギーの車内。親切なガイドは所々で解説が入る。

シロクマは好奇心旺盛。もちろん食べものを出すような不見識な人は誰もいなかった。


まさに、「夢のような」三日間であった。

10/31 手書きの搭乗券・そしてまた遅れる飛行機
AC3746?チャーチル→ウィニペグ AC3622ウィニペグ1800→バンクーバー1915

今日でチャーチルともお別れ。ハロウィンだったので、タクシーの運転手まで仮装していたのには驚いた。お約束?の酸っぱい飴までもらってしまった。さて、空港につくとモニタの案内は夏時間のままだった。「さすがカナディアン」と思って外を見ると飛行機は一機しかいない。空港の案内には11:00と11:15と2本あるので不安が募る。30分ほど待たされてチェックイン。搭乗券は何と手書き!


手書きの搭乗券。便名も違ってたりする。もちろんマイルは事後加算である(笑)チケットには空港名などは書かれず3レターのコードのみというのも初めての体験であった。

チャーチルの空港のカウンター

しかも荷物はウィニペグで受け取り、再チェックインしろなどと言われる。どうもこの空港には端末が1台しかなく私の方は端末が無い人が手続きしたためらしい。まあ、乗れたので良しとしよう。案の定しっかり遅れて出発した。機内食はサンドイッチとフルーツだった。

天気予報によるとウィニペグの天気は雨。しかもかなり悪いようだ。飛行機は予定の時間になっても高度を下げる気配すらない。プロペラ機の為か向かい風でスピードが出ないようだ。ホテルで一緒になった日本人は私を除いて乗り継ぎ時間が一時間以内だった。どうも間に合いそうにない。結局30分以上遅れて着陸したが乗り継ぎ便は行った後だった。 (端末に入ってないから乗り継ぎ客がいることも知らずに出てしまうらしい)
ウィニペグの待合室でこれからチャーチルに行く友人に会う。こちらは飛行機のトラブルで遅れているそうだ。少し現地の話をした後出発のアナウンスが流れたので見送り、自分の飛行機に乗る。バンクーバー着19時15分。3時間以上も乗っているのに時差のおかげで1時間しか経っていない。夜8時前なのに空港が閑散としているのに驚いてしまった。今日のお宿は空港直結のFairmontだ。日本ではまず泊まることがない高級ホテルだが、荷物が多い(写真の腕はともかく機材の量だけはプロなみ)ので乗り継ぎの都市でのホテルは空港直結と決めている。チェックインしたあと空港のフードコートで食事を済ませ部屋に戻る。TVを付けたらSKY・SPORTSでラグビー・NPC(ニュージーランドの州代表選手権)の決勝をやっていたので思わず最後まで見てしまった。(旅行前に家で予約していたのに・・・)
 
 

11/1 「Stand By」そしてエグゼクティヴクラス AC003 バンクーバー1427→成田1740
朝は飛行機の離陸音で目がさめた。ルームサービスでゆっくりと朝食を取ってからホテルをチェックアウトしておもむろに空港のチェックインの列に並ぶ。日本語で誘導される。「ああ、日本が近くなってきたんだなぁ」っと思った時に「Next Pleaese!」と呼ばれた。チケットとパスポートを出す。係員はCanadianの制服の人だった。ちょっと待たされるかた思ったら、近くのオジサンを呼んで何かやっている。どうやら端末を使いこなせないらしい。「AC003」などと言いながら端末をたたいている。ちゃんとチケット出てくるのだろうか。何しろ先週端末が統一されたばかりなのでカナディアンの制服の人は端末になれていない。「席は通路側にしてくれ」と言ったら「あなたの席は無いよ」みたいなことを言われ「Stand By」という黄色いタグを付けられる。なんと、搭乗券には席番号は印字されていない。チャーチルに行く飛行機じゃないんだからと思いながらチケットをもらうと、「搭乗口で出発一時間前に発券してもらえ」と言われる。どうやらオーバーブッキングらしい。「今日は満席なの?」と聞くと「そうだ」との答え。なんでこの時期に満席なの?と思いつつもお土産を買って搭乗口に向かった。
STAND BY のタグ。預けた荷物には同様のタグが付けられた。

それにしても東洋系の人が多い。この時間はAirCanadaが台北(エバー航空とコードシェア)・関空・成田と3本も出すし、JALも成田行きが1便あるから仕方がないのかもしれない。みやげ物屋の店員も日系人(空港の売店はセキュリティの関係でカナダ国籍でないと勤めることは出来ないらしい)がいたり、なんと制服姿の日本の女子中学生までいる。

席が確定していない(というか乗れないかもしれない?)ので早めに搭乗口に向かった。搭乗口は前の台北行きの便に乗る中華系の人でごった返していた。その便の搭乗が終わったところで交渉を始める。例によって「通路側ね」といいながらチケットを出すと「呼ぶからまってて」と言われる。あれ、これじゃカナダの国内線と同じじゃない。数分後呼ばれてチケットが出てきた。これでようやく帰国が確定する。
しかし、席は44D。オイオイすごい後ろじゃないの。ここって良く乗務員が休んだりする場所じゃない。でも周りを見回すと、満席という割には搭乗口には50人もいない有様。いったいどうなっているんだろうか?まあ、通路側だし酒飲んで寝てればいいかとあきらめることにする。ところが、搭乗30分前に異変が起こった。さっき見かけた女子中学生が来るは来るは。どうやら5クラスもいるらしい。(なんとA組〜E組と「日本語」で放送があった)この便のエコノミーは定員252人なのでほとんどこの子たちで占拠されるようだ。 まだ、カナダにいるのに日本にいるかのように日本語しか聞こえない。
目の前に立っている子のチケットをチラっと見ると「43D」。これは大変なことになった!幸いなことにカウンターに日本人の職員がいたので掛け合うことにする。
「どこでもいいのでこの子たちの席から離れたところにして下さい。10時間以上も耐えられません」すると横にいるカナダ人の職員に囁いて端末をたたかせた。
「じゃあ、席を替えました」とチケットを渡された。さて席番は「4D」EXECTIVE CLASSとしっかり印刷されていた。職員に丁重にお礼をいって搭乗したのだった。
こうなると女子中学生に感謝、感謝である。
Air Canadaのエグゼクティヴクラスのシートピッチは以前乗ったカナディアン航空のそれより非常に広くカメラバッグを置いても足がバッグに届かないのには驚いてしまった。
A340-200型の操縦席。「操縦席に行っていいよ」と言われていったら機長はお食事中でした。

機内では
操縦席まで入れてもらい、すっかり「お上りさん」状態であった。


<この日の機内食>左上)一回目のメインディッシュ、右上)デザート、左下)二回目の食事(和食)

成田には17時40分に到着。時間が経つのを忘れてしまうほど楽しい機上のひとときであった。

撮影条件にはあまり恵まれなかったが、欠航や荷物が届かなかったり、最後にはStand byからビジネスクラスと話題には事欠かない旅となった。
次回は、吹雪の中を戦うシロクマを目指して機会をうかがっているがいつになるやら・・・

(完)



前編に戻る
 About me
Home

(C)Copyright ,2000-2001   Y's Factory. All right reserved.